津軽伝書に基づく小野派一刀流の組太刀の再現①:一ツ勝、の試し撮り。。。

・まず一ッ勝は一本目だけではなく、最初の五本の組太刀を示している。一子相傳之秘書にあるとおり、10組で50本の組太刀で構成されている。 一子相傳之秘書   地之巻 表 組数十、點数五十。此組数 ノ號ニ字ナシ、只カナニテ教ユルナリ 【一勝(ひとつのかち):一番】 打太刀陰、右の足を踏出し切懸ル、左の手を上 あげ 勝する 遣方、せいがん切懸ル時、切落 ・現代の一本目は合し打ちとなっているが、本来は打ち方は清岸 (清眼) に切りかかる。小野忠方も一ツ勝は清眼で切落しを使うと記載がある 「一ツカチノ事。セイガンニテ切ヲトシヲツカイ候モ、(忠方)」 ・また、明治初期の北辰一刀流の動画においても合し打ちではなく、清眼にて切落しを使っているのがわかる 1897 Itto Ryu film 【一勝(ひとつのかち):二番】 打太刀、中せいがんに出し待、向より付たる時前の足を入な可らすりこみ右の手へ勝する 遣方、下段より仕懸け、せいがんに阿ふ、向よりすりこむとき巻、上段より勝跡上段に取 ・現代一刀流では向突きになっているが、本来は「巻切」であり、一刀流忠也派に伝わった立身五点 小野次郎右衛門方(忠明の事)には、巻切りが明記されている。ここはあまりの違いに私もかなり模索したが、津軽伝書のすべての巻の記載を考慮すると巻切りですべてが成立する。 「二、下段ヨリ清眼ニ付巻切 同清眼」 ・さらに小野忠方が書いているとおり、妙剣の押掛ラレテ潜ル位はこの二本目であることが示されており、この形で行う場合、向突きや現代剣道の円に巻く技法では説明がつかず、巻切りを折身を使って刀を潜る形で成立する 妙剣 押掛ラレテ潜ル位有。ト云ハ、一ツカチノ二バンメ。是ラガヲシカケラレテクグル位ナリ。常ニ執行ノト通りヲリ同意ナリ。又、ヲシカクル時ハ、折身ツ使 カイテクグルモヨロシ。 (朱書)我方ニヲシカクル時、折 身ヲツカイテクグル也。表ノ一ツカチノ二番目ニ、先ズナゾラエテ覺ベシ。然ドモ、二番目ノ太刀ハヲシカケタル時、廻グミテ切モ、常ニクグル心ニテセヨト也 津軽伝書に基づく小野派一刀流の組太刀の再現:妙剣 押掛ラレテ潜ル位、の試し撮り。。。 ・一刀流は中条流や當田流の流れを汲んでおり、この巻切りは本来の一刀流のコアの技法の一つである。溝口派一刀流の左右転化出身之秘太刀の一本目でも巻切りを見ることができる。 06當田流剣術流 第38回日本古武道演武大会 溝口派一刀流演武 ・ちなみに現代剣道の巻は元々一
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