津軽伝書に基づく小野派一刀流の組太刀の再現:妙剣 押掛ラレテ潜ル位、の試し撮り。。。

小野忠於から津軽越中守に送られた一刀流割目録にも記載がある妙剣の「押しかけられて、くぐるくらゐあり」の再現です。 小野忠方が記載しているとおり、一ツ勝の二番目がこの位であり、まずこの表の一ツ勝の二番目になぞらえて覚えよといっており、折身を使って潜ると言っています。 ですので、初めは一ツ勝の二番目、次に妙剣 押掛ラレテ潜ル位を撮っています。しかし、この一ツ勝の二番目は実践形ではなく練習形と言っており、実際は一つ勝5本目の脇構の付ような清眼にて切落しつつ相手の中墨を攻めて喉か顔面目掛けて突く勢いの状態で、互いの太刀が張り合っているところで、この妙剣 押掛ラレテ潜ル位は効果があると思っており、打太刀が上の意識のある所に突然折身で遣方の姿や太刀が消えるところに妙剣の意味合いがあるのではと考えています。 【一ツ勝:二番】 打太刀、中せいがんに出し待、向より付たる時前の足を入な可らすりこみ右の手へ勝する 遣方、下段より仕懸け、せいがんに阿ふ、向よりすりこむとき巻、上段より勝跡上段に取 【妙剣 押掛ラレテ潜ル位】 妙剣 押掛ラレテ潜ル位有。ト云ハ、一ツカチノ二バンメ。是ラガヲシカケラレテクグル位ナリ。常ニ執行ノト通りヲリ同意ナリ。又、ヲシカクル時ハ、折身ツ使 カイテクグルモヨロシ。 (朱書)我方ニヲシカクル時、折身ヲツカイテクグル也。表ノ一ツカチノ二番目ニ、先ズナゾラエテ覺ベシ。然ドモ、二番目ノ太刀ハヲシカケタル時、廻グミテ切モ、常ニクグル心ニテセヨト也 (小野忠方) なお妙剣については、長くなるので別の機会として今の結論としては忠也派の伝書にあるとおり、元々は鐘捲自斎から授かった裏の五点では隠剣であり、それを小野忠明が工夫したのが小野派一刀流の五点の妙剣であると考えています。妙剣が隠剣であるのは唯心一刀流・杉浦派一刀流の釼術辨知論でも記載があり、有力ではないかと思っています。忠也派や唯心では無相、大極であり、そこからどのような太刀筋がでるかわからない点を唄っており、そこが有相として形が明らかになる点が絶妙剣と言っています。特に唯心では妙剣絶妙剣はそれで一つといっており、津軽伝書の折身の五点でもそのような形で現されていると思います。(これもまたの機会に) では小野忠明はどのような工夫をしたのかという点はすべて解明できていませんが、隠剣というと脇構で刀を相手に見せないようにする構からさらに発展させ、Invisible (目に見えない)ようにしたのが忠明の工夫ではないか
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