失われる宗教、言葉、尊厳… 記者が見たウイグルで進む「漢族化」の実態 市場の刃物は鎖で繋がれ民家の玄関にはQRコードが…そのワケは?【NEWS23】

JNNのカメラが中国・新疆ウイグル自治区にー。人口はおよそ2500万人で半数近くを占めるのがイスラム教を信仰する少数民族、ウイグル族の人々です。 中国政府はここ数年、ウイグル族などに対する抑圧政策を強化していますが、これを欧米各国は「人権侵害だ」と厳しく批判、国際問題となっています。抑圧政策により失われていく宗教、言葉、そして尊厳。その実態を取材しました。 ◤「両親は“収容所”へ行った」新疆ウイグル自治区でJNNのカメラが捉えた“抑圧”の実態 封鎖されたモスクも…口を閉ざす人々◢ ■市場では刃物に鎖 民家にQRコードのワケは? 新疆ウイグル自治区、カシュガル市。人口の9割をウイグル族が占める、ウイグルらしさが色濃く残る街です。厳しい移動制限を強いていたゼロコロナ政策が終わり、多くの観光客でにぎわっていました。観光客の多くは“漢族”です。 漢族の観光客(女性) 「ウイグルの人たちは、みんなとても親切でフレンドリーです」 漢族の観光客(男性) 「今は漢族とウイグル族の関係は、とても親密です。中国は少数民族と漢族との一体化を重視し、たくさん努力してきましたから」 漢族の観光客(女性) 「ますます民族が融合しています。ウイグル族の人たちも中国語が、だんだん喋れるようになっているし」 “ウイグル族とは、うまくいっている”と口をそろえる漢族の人々。その実態は、どうなのでしょうか? カシュガル市の市場では、ウイグル族の人たちの食生活に欠かせない羊や牛が取引されていました。平穏に見える人々の暮らし。しかし、そこで目に留まったのは・・・ 記者 「刃物に鎖がついています。テーブルに固定されていて、持ち出せないようになっています」 市場の全ての刃物が鎖やヒモで固定されていました。 ウイグル族の男性 ーーいつから鎖をつけるようになった? 「結構前からです。5、6年前かな」 2009年にウイグル族と漢族が衝突した「ウルムチ騒乱」以後、中国政府は「テロ対策」の名のもと、ウイグル族に対する監視を強化。刃物を鎖で固定するのもテロ対策の一環だということです。あるウイグル族の男性は、複雑な心境を明かします。 ウイグル族の男性 「鎖をつけられることで、心理的に抑圧されている気持ちになる。尊厳が奪われている」 監視の目は、ウイグル族の人々が暮らす住宅にも・・・ 記者 「民家の玄関には、QRコードが貼ってあります。QRコードを読み込んでみると担当する警察官の電話番号と名前が書いてあります」 一軒一軒、住民を監視・౜
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