羽化する残酷 / 結月ゆかり 紲星あかり

夏の陽射しが私を焦がす頃に 蝉のように生きられたら 過ぎ征く時間も少しは 意味のある抜け殻になって 心の穴を埋められるかな 新しい私になりたくて 鏡に映る蛹を見て 息をするように 「醜いね」と嗤う 私がいた 蝋で作った羽根で飛び立った私は、 少しの間空から街を見下
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