原因は子連れだから?流氷に囲まれたシャチの群れ なぜこのような状態に【報道ステーション】(2024年2月6日)

北海道羅臼町の沖合で6日朝、流氷に囲まれて動けなくなっているシャチの群れが見つかりました。その数は、15頭前後。 哺乳類のシャチは、鼻から呼吸をします。流氷の隙間から顔を出し、必死に息をしています。中には子どものシャチもいました。 合同会社ワイルドライフプロ・土屋誠一郎さん:「直径10メートルあるかないかの流氷の隙間から、みんな縦になって、上下しながら、頑張って呼吸しながら耐えている感じ」 シャチは世界中の海に生息しますが、特に冷たい海を好むといいます。群れで行動し、餌を狙うときは、仲間同士が連携して捕えます。北海道の根室海峡には、ほぼ通年、シャチがいるということが、最近、わかってきました。 今年、知床の流氷の初接岸は、去年より4日早い先月29日でした。ただ、羅臼町で今年初めて流氷が確認されたのは、5日でした。 合同会社ワイルドライフプロ・土屋誠一郎さん:「ここ数日で(流氷が)グッと入ってきた。急に氷が来て囲まれたんじゃないか」 流氷の分布を見ると2月1日には、羅臼町周辺には全く流氷はありませんでした。しかし、その後、南下して、6日は高密度の流氷が接岸していました。 国立科学博物館・田島木綿子研究主幹:「今回は、シャチの予想と違う流氷の動きをしていたことと、やっぱり子連れだったこと。子どもは泳ぎ方や息継ぎが下手。それを世話しながらだと、子どもはどうしても遅れてしまう。それに大人たちが一緒に引きずられてしまう」 ここ数日、冬型の気圧配置で、強い北よりの風が吹いていて、その影響で流氷が広がったとみられます。 体長5メートルを超えるシャチもいて、知能も高い動物です。なぜ逃げることはできないのでしょうか。 国立科学博物館・田島木綿子研究主幹:「流氷は、とにかく速いみたいなので、流れが。彼らだって、もちろん生きたいので、ふさがれてしまったら、次を探していると思いますが、どこもない状況だったら息ができない。流氷に閉じ込められたので、呼吸できる穴を探して、その穴を利用して、順番に呼吸している状況」 羅臼町では、19年前も12頭のシャチが流氷に閉じ込められました。このときは、救助に巡視船の派遣も検討されましたが、水深が浅く、実現しませんでした。結局、翌日には1頭を残し、11頭が死にました。 合同会社ワイルドライフプロ・土屋誠一郎さん:「流氷もシャチの大きさも、とても人間が入り込めるような大きさじゃない。そもそも船が入れない、氷があって」 羅臼町役場は、「対策は検討
Back to Top