1988年 バブルコンポ AIWA プリオール CDS-777 CD音声テスト 宇宙の彼方で/森口 博子
バブコンの中でも、最も希少価値が高いと思われる、AIWAの「プリオール」シリーズ。球数は極少で傷みやすく、まず、10年以上探してもほとんどまともなものは手にできないでしょう。AIWAの高級オーディオメーカー時代を知らない、一般のユーザーの多くは、「AIWA」は「安くてチープなオーディオメーカー」というイメージを持っているかもしれません。しかし、高級機全盛期のAIWAが造ったこの「プリオール」シリーズ、全身に鳥肌が立つほどに圧倒的に美しい音質で音楽を奏でてくれます。なぜこんなにも音が違う?スピーカーをバラしてみても、アンプをバラしてみても、特別画期的なものは見当たらない。アンプ出力は100W 100Wで、確かにこの時代では群を抜いて高出力ではありますが、同じ100W 100W以上の他メーカーのアンプよりも明らかに力強い。ミッドやツィーターも外観上は普通な感じなのに、なぜこんなにも高音がのびて綺麗に響く?こんな「衝撃」は長くミニコンポのレストアをやっていますが、久々です。高校生の時に、SONYのウォークマンを買って愛用していた私ですが、友人が「AIWA」のウォークマンを買って使っていたのを見て、「なんでAIWAを買ったの?」と友人に聞くと、友人が「どのメーカーよりも音がいいから」と返したのを聞いた私は、「SONYが買えないから負け惜しみをいっているのだ。」と思い、ちょっとカチンときた私は、「いや、SONYの方が絶対音いいでしょ?」と返すと、友人は、「いや、ぜんぜんAIWAの方がいい」と。
オーディオマニア達の間ではあるある(笑)のエピソードではありますが、こうやって、かつてのAIWAの上級機を前にしてみると、どうやら、友人が言っていたのは単なる負け惜しみではなかったようです。