鹿の遠音[SHIKA NO TONE](独奏)/ 寄田真見乃
この曲は「鶴の巣籠」と共に、二大秘曲の一つとされます。琴古流尺八本曲「鹿の遠音」は初代 黒沢琴古が松寿軒の「一計子」禅師より習ったもので、この曲とは微妙に異なる表現をします。
三十六歌仙の一人「猿丸太夫」が百人一首の中で「奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき」と歌っているように、この曲は鹿と秋の風趣を絡めて詩情豊かに深山の情景を表現しています。
この曲は正式には「長崎・松寿軒伝・呼び返し・鹿の遠音」と言います。二人で吹き合わせる二重奏型式と一人で吹く独奏型式とがあります。
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2017年5月12日
『春の夜間特別開館 寄